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安全性や健康への影響

糖質制限は安全?危険?健康への影響やよくある誤解まで、管理栄養士が徹底解説!

投稿日:2016年8月30日 更新日:

糖質制限ダイエットは「死亡者が出た」「健康を害した」などの意見が出回っているため、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。結論、糖質制限は決して危険なダイエット方法ではありません。この記事では健康障害への対処法や、よくある誤解までを解説しています。

糖質制限に漠然とした不安を抱いている方、ネット上の情報だけで糖質制限は危険だと思い込んでいる方、ぜひ一度読んでみてください。





糖質制限は決して危険なダイエット方法ではない

2016年2月6日(土)に、糖質制限ダイエットの第一人者と言われる桐山秀樹さんが心不全で亡くなったというニュースが流れました。死因は糖質制限ではないと言われていますが、一挙に「糖質制限ダイエットは危険なのでは・・?」といったマイナスイメージが広がってしまいました。

ネットでは、糖質制限をすると脳がエネルギー不足になるとか、病気のリスクが高くなるなど、様々な書き込みが見受けられます。また、そういった話を聞いたことがあるかもしれません。糖質制限は決して危険なダイエット方法ではありませんが、間違った方法で行ってしまうと、健康を害する可能性もあります。専門家指導のもとで正しく行うことが重要です。

糖質制限ダイエットのはじまり

そもそも糖質制限ダイエットは、2002年にアメリカで大ヒットした「アトキンスダイエット」から展開されたダイエット法です。アメリカ人医師のロバート・アトキンス博士によって生み出されたアトキンスダイエットは、次のように定義されています。

『炭水化物の摂取量を20〜40gまで減らす代わりに、肉類はいくら食べてもOK』

肉好きのアメリカ人にこのダイエット法が大ウケし、大ブームを巻き起こしたのです。そして、これを発端としたダイエット法が様々な形で急速に広まったことによって情報が一人歩きし、独自でダイエットを行う人が溢れかえりました。

その結果、体調を崩したりリバウンドをする人々が数多くあらわれ、「糖質制限は危険なダイエット法」というレッテルが貼られたのです。しかし、現在では臨床医学や栄養学など、どの分野においても糖質制限の安全性が証明され、再び糖質制限が注目されています。

糖質制限ダイエット中の健康への影響について

しかしながら、糖質制限ダイエット中になんらかの健康障害を感じる方いらっしゃいます。

その多くは、たんぱく質が不足することに起因することが多いです。
※個人差がありますので全ての人にあてはまるとは限りません。ご了承ください。

新陳代謝が低下する

ダイエットをすると、脂肪とともに筋肉も減り、代謝が落ちます。筋肉量を減らさないために、筋肉トレーニングとたんぱく質の補給が欠かせません。

肌が荒れる、乾燥する

張りのある若々しい肌をつくる「コラーゲン」もたんぱく質の一種です。
コラーゲンの生成が減少することで、肌のくすみやニキビ、肌荒れなどに繋がります。

貧血症状があらわれることがある

女性に多く見られる貧血ですが、鉄分不足だけが原因ではありません。たんぱく質は赤血球中のヘモグロビンを構成する栄養素の一つです。特に月経中は、鉄とともにたんぱく分も失われるため、鉄分とたんぱく質、どちらも積極的に摂取していく必要があります。

風邪をひきやすくなる

免疫細胞を作っているのもたんぱく質です。免疫細胞は寿命が短く、常に新しい細胞がつくられており、たんぱく質の供給がストップしてしまうと、免疫細胞がうまく作られなくなります。風邪をひきやすくなるだけでなく、風邪の治りも遅くなります。

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、吸収されます。体内で作られるアミノ酸もありますが、体内で作ることのできないアミノ酸は、食事から摂取しなければなりません。また、たんぱく質は脂肪のように体内に蓄えることができません。常に体内で合成と分解を繰り返し、どんどん消費されていくため、日々の補給が欠かせないのです。

体臭や尿が臭くなる

ケトン体とは、アセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸の3種類の短鎖脂肪酸の総称です。
このうち、糖質制限によって増加するケトン体はβ-ヒドロキシ酪酸であり、強い臭いはほとんどありません。いわゆるケトン臭と呼ばれるのは、アセトンとアセト酢酸の臭いです。アセトンはマニキュアの除光液に含まれる物質で、ツンとした臭いが特徴です。

また、ケトン臭が発生した場合であっても、一時的な症状なので心配いりません。糖質制限を続けると、ケトン体代謝がうまく働くようになり、ケトン体の濃度は下がってきます。この頃になると匂いがすることはなくなります。

糖質制限ダイエット中の健康障害でよくある誤解

一般的に言われている糖質制限ダイエット中の健康障害でも、実はまったく論理にかなっていないこともあります。

糖質を摂らないと、体がだるくなったりする?

私たちが生きていくためのエネルギー源は2つあります。

  • 糖質(ブドウ糖)=グリコーゲンエネルギー 《糖質代謝》
  • 脂肪=ケトン体エネルギー 《ケトン体代謝》

食事から体内に取り込まれたブドウ糖はグリコーゲンエネルギーとして、脂質はケトン体エネルギーとして蓄えられます。昔はケトン体エネルギーの方がはるかに備蓄量が多いため、体は本来、ケトン体エネルギーを日常的に利用し、グリコーゲンエネルギーは非常用として蓄えてきました。

ところが、現在の糖質主体の食生活ではグリコーゲンエネルギーばかりが優先的になり、ケトン体エネルギーはほとんど利用されていません。

糖質制限を行うと、体がケトン体エネルギーを利用できるよう体質が改善します。食事から糖質を摂取しなくても、糖新生により体内でブドウ糖を作り出すシステムが働くので心配には及びません。脂肪が燃え続けることで、減量効果だけでなく体の爽快な動きにもつながり、体のだるさも感じづらくなります。

糖質制限食を実施すると低血糖になる?

糖質制限食では、高血糖が改善されるだけで低血糖にはなることはなく、正常な血糖値が維持されます。食事からの糖質の供給がなくなり血糖値が一定以上に低くなると、糖新生によりブドウ糖が体内で作り出されます。

また、血糖値を下げるホルモンはインスリンだけですが、反対に血糖値を上げるホルモンはいくつも体内に存在しており、血糖値が下がるとグルカゴン、エピネフリン、副腎皮質ステロイドホルモンなどの血糖値を上げるホルモンが分泌され、正常な血糖値を維持するよう働きます。

糖質を摂取している人でも、糖新生は日常的に起こっています。食後数時間経過した時や睡眠中など、ブドウ糖の供給がなくなると、肝臓のグリコーゲン分解が糖新生に切り替わり、血糖値を正常に維持するように働くのです。

糖質を摂らないと脳の働きが鈍る?

脳には、血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア)とい関所のような場所があり、異物が侵入できないシステムになっています。

昔は、ここを通過できるのはブドウ糖だけだと考えられていましたが、近年の研究で、脳の関門はブドウ糖以外にも通過できる物質があることがわかってきました。それが「ケトン体」です。ケトジェニックダイエットのネーミングの元になっています。

それだけではありません。ケトン体は脳だけでなく体内のあらゆる細胞でエネルギーとして使えることがわかってきました。「糖に代わるエネルギー」と言っても過言ではありません。絶食時のように糖質を完全に断った状態では、脳を動かすために必要なエネルギー源のおよそ30%はケトン体でまかなわれ、残りの70%は糖質でまかなわれています。

そう聞くと「やはり糖質を摂らないとエネルギー不足が起こる」と誤解しがちですが、この糖質は肝臓と筋肉を中心とする糖新生で十分カバーできるのです。また、赤血球や角膜など、糖質しかエネルギー源にできない細胞もありますが、これらの糖質も同様に糖新生でまかなうことが可能です。

血液中のケトン体上昇やケトアシドーシスが怖いと聞くのですが?

糖質制限によるケトン体上昇と、糖尿病によるケトン体上昇は根本的にちがいます。二つの大きなちがいは、インスリン作用の有無です。

生理的なケトン体上昇は、日常生活の中でも空腹時や断食時に起こります。糖質制限でも、ケトン体代謝が活性化することでケトン体の上昇がみられます。

例えば、3食とも糖質を摂っている人のケトン体値は、26~122μmol/ですが、長期的にスーパー糖質制限をしている人の場合は、400~1200μmol/と高いケトン体値を示します。これは生理的なケトン体上昇なので、安全といえます。

一方、糖尿病性ケトアシドーシスの場合は、インスリンの作用が欠乏することによる代謝異常の結果としてケトン体が上昇します。これは病的なケトン体上昇であり、インスリン作用欠乏による非常に高血糖な危険な状態です。
糖質制限によるケトン体上昇と、病理的なケトン体上昇を混同しないようにしてください。

 

糖質制限をオススメ出来ないケースもある

糖質制限ダイエットは、正しい方法で行えば決して危険なダイエット法ではありません。しかし、次のような方にはオススメしていません。

糖尿病の薬を服用している

糖尿病の薬には、血糖値を下げる役割があります。糖質制限によって血糖値は上がりにくくなっていますので、糖尿病の薬を併用すると血糖値が下がり過ぎて低血糖症状を引き起こす危険があります。糖尿病の薬を服用している方が糖質制限を行なう場合は、必ず主治医の指導の下で行ってください。

膵臓の機能に心配がある

糖質制限では主食(炭水化物)を食べない分、脂質をしっかり摂取する必要があります。脂質を摂り過ぎると膵液の分泌が多くなるため、膵炎を引き起こすなどの危険があります。

肝機能に心配がある

糖質制限では、糖質由来の糖エネルギーの代わりに、中性脂肪を燃やすことでケトン体エネルギーを産生しますが、エネルギー源となるケトン体を生み出す役割を担うのが肝臓です。また、最低限必要な糖エネルギーを生み出すためのシステム「糖新生」も肝臓で行われます。したがって、糖質制限では肝機能が正常に機能していることが非常に重要となります。

腎機能に心配がある

腎臓は、血液中に溜まった老害物を尿として排泄する役割があります。糖質制限では主食(炭水化物)を食べない分、たんぱく質を多く摂りますので、腎機能が正常に機能していないと老廃物が体内に溜まりすぎてしまいます。

脂質(長鎖脂肪酸)代謝異常が認められる場合

糖質制限では主食(炭水化物)を食べない分、たんぱく質や脂質が主なエネルギー源として利用されます。脂質代謝に異常がある場合、摂取した脂質がエネルギーとしてうまく利用出来ないため、糖質制限は不向きであると言えます。

少しでも心配がある場合は、まず医師に相談しましょう。また、医師からOKが出た場合であっても、身体の異変を感じたらすぐに中断し、受診するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?
糖質制限ダイエットは、正しく行えば決して危険なダイエット法ではないということが理解していただけましたでしょうか。もちろん、人それぞれで体質は異なりますので、万人が100%安全にできるとは言い切れません。

しかし、正しい糖質制限ダイエットによって理想的な身体や健康な身体を手に入れた人がたくさん存在することもまた、事実なのです。正しく糖質を制限して、健康的な生活を送りましょう!



 

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KANAMI

KANAMI

管理栄養士。自身も糖質制限で15kgの減量経験があり、その経験を活かした説得力のある低糖質の食事指導に定評あり。フィットネス分野にも精通。

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